日本画大作用パネル

わが社のパネルは日本画独特の性質に合わせて作られています。
画面側の反りも製作過程や作品完成を見越して作られており、ワザと一定方向に反らせて作られております。
また、大作の日本画独特の描き方であるパネルを寝かせて製作するゆえに、パネルの画面側に乗っても大丈夫な様、他社より桟木を多く使用しております。


その他こだわりの日本画用パネルの詳しい説明をご覧ください。

桟材

桟材

1. 日本杉

針葉樹で軽くねばりや柔軟性も高いです。

2. 米杉

これも針葉樹で、ねばりや柔軟性はありますが日本杉に比べると若干劣ります。
軽く木材の天敵であるシロアリなどに非常に強いです。

3. ホワイトウッド

よくホームセンターで見かける材で比較的安価ですが、比重が重く杉に比べ粘りや柔軟性に欠くうえ、ヤニなどもありパネルには不適です。

4. 集成材

ファルカタという広葉樹を使用している集成材ですので、ねばりや柔軟性がかなり弱いうえに、意外と重いのでこれもパネルのは不適です。


以上のことから、大作用パネルの桟には針葉樹でヤニがなく比重が軽い杉材が最も適しているため、タカハタ星辰堂では杉材を使用しています。

画面側ベニヤ

ベニヤ

画面側に張られるベニヤ板について

上の写真は白い布を濡らした状態で、ベニヤ板の表面を擦るとどうなるかの比較を実験したものです。
右は水性ウレタンのアク止めを塗布したもの、左は何も塗ってない状態です。それぞれ一度濡れ雑巾で拭いたあとのものです。
見てわかるとおり、一度雑巾がけしたにもかかわらず左側はアクがつき右はアクがつきません。


ベニヤ

上の写真は、長時間ベニヤ板に接することにより木材のアクが紙に移ったのがわかります。
ベニヤ板の木目がくっきり移っています。
よくベニヤ板のアク移りを防ぐために鳥の子などを貼ったものもありますが、いずれはアクが鳥の子を超えてきますので完全とは言えません。
このような状態になるのを防ぐためにもやはりアク止めをするか、MV合板のような完全にアク止めをしているベニヤ板を使用しているパネルがお勧めです。


ベニヤ

上の写真は、左右とも水分を給水してるのがわかります。
アク止めを塗布してもしっかり給水するのがわかります。
作品製作による水分をしっかり受け止め本紙裏の湿気がこもるのを防ます。


ベニヤ

上の写真のベニヤ板は、MV合板といってベニヤ板の上に紙状シートが張られており、ベニヤ板からのアクはもちろん酸性物質も発しませんので麻紙の酸化による変色を防ぎますし紙状シートですのでもちろん給水します。
シートが貼られてる分、強度はかなり増しますがそのぶん重くなります。


以上のことから、ベニヤ板にはアク止めを塗布するかMV合板をお勧めしています。

仕上がり

仕上がり

この写真のパネルですが上の画面側を頂点にして山なりに反っているのがよくわかります。
これは麻紙の収縮によって、パネルが画面側に反って麻紙が太鼓状になり裂けてしまうことを防ぐため反りをワザとつけています。


仕上がり仕上がり

上の写真は150号クラスのパネルの裏側、右は拡大したところです。桟には日本杉(北山杉)を使用しています。

すり合わせ

すり合わせすり合わせ

大作の作品を画室で製作するにあたり利便性を考えると大きな一枚パネルではなくパネルを何枚かに分ける「割りパネル」という方法があります。
その製作の際、つなげる部分を少し大きく作り合わせた場合に隙間なく合うように「すり合わせ」を致します。

上の写真の左側はすり合わせ前、右はすり合わせ後です。


仕上がり

すり合わせ後、画面裏側のすり合わせ部分の桟にこのような金具で「ジョイント」いたします。

麻紙の貼り込み

タカハタ星辰堂では用途に分けて貼り込み方を分けて行っております。

1. 裏打ち加工

麻紙の補強になるだけではなく、元々持っている麻紙のクセが修正されるのと、作品を製作するうえで麻紙が水分を含むことによって起こる伸縮が軽減されます。
裏打ちは、3×6サイズの麻紙いっぱいに使う大きさの時や作品完成時にパネルから外して移し替えるのが決まっているときなどは裏打ちしておくと安心です。

貼り込み貼り込み貼り込み

2. 一重くいさき

3. 二重くいさき

パネル表面にくいさき加工された部分に麻紙をベタ貼りします。
パネルに直接ベタ貼りするのとは違い、部分部分が接着しパネルが逆反りするのを防止します。
さらにパネル全面にくいさき加工されたパネルにベタ貼りしますので裏打ち効果もあります。
もちろんパネルに直接ベタ貼りするのとは違い、後に作品を外すことは可能です。
この裏打ち効果は一枚での裏打ちとは違いくいさき加工された紙の大きさの部分内で麻紙の収縮の力の分散が行われ、大きく逆反りするのを防ぎます。
また二重くいさきにすることにより力の分散がさらに細分化されるのと、麻紙とパネルの間に二枚の紙が入ることにより湿気の通気が良くなるのと、作品を描くにあたり筆のあたりが柔らかく、ふわっとした感覚になります。

貼り込み貼り込み

写真の左側の受紙の端にくいさき加工がしてあり一重受けと二重受けの上の受紙に使用します。右側の写真は二重受けの下の受紙に使用します 。

貼り込み

写真は150号クラスのパネルに一重の受紙したところです。
受紙の重なり合ってる部分だけパネルに接着しています。
これをすることにより製作過程においての麻紙の収縮によって太鼓状になるのを防ぐのと麻紙とパネルに距離を持たせることにより通気性がよくなるのと、麻紙に筆などで描くときあたりが柔らかくなります。
二重受けの時はこの上にひとまわり小さな受紙で貼り込みます。それによりさらに上記のような効果が見込まれます。

貼り込み

写真はくいさき加工した受紙をパネルに貼り込んだのを拡大してます。
くいさき加工することにより上に貼り込んだ麻紙に受紙の段差をなくします。

貼り込み
貼り込み

上の写真は二回目の受紙を貼り込んだ状態。
下は拡大したところですが、上下大きさの違う受紙が貼り込まれているのがわかります。

貼り込み

上の写真は二重の受紙をした上に麻紙を貼り込んだところです。


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